第1回 楽しい文章講座
「働く」ネタばっかりだとカタいし飽きちゃうので、最近ちょっとだけ「講座やって」とか言われるようになってきた、言葉の使い方や文章作成のネタもぼちぼち書いてみます。
今日のテーマは、「方向性のない強調」の多用はやめましょう……です。
ちなみに、方向性のない強調とは、暑い世界のみなさんが好んで使われる傾向がある単語です。「頑張ります!」とか「気合い入れます!」とか「命かけます!」とか「死ぬ気で…(以下略)
マネジメント経験者なら、「頑張ります」が口グセの部下って信用できないなぁと思ったことがあるかもしれません。腹黒いとかそっち方面でじゃなく、こいつ上っ面だけだなぁとか、何も考えてないんだなぁとかいう意味で。
こういうタイプの人に、「何をどう頑張るの?」って訊くとたいてい答えにつまります。だって、そんなことほとんど考えてないんだもん。もっと言えば、「頑張る」って言うことが頑張ることだと思ってるんだもん。
だいたい、何をどう頑張ればいいかわかっている人は、「頑張ります!」という前に行動してますしね。
「しっかりと!」「よりよく!」「きちんと!」「確実に!」 なんて言葉もそう。
語気が強いから言ってると自分が鼓舞されちゃうんだろうけど、結局中身のなさを強調することにしかならない空虚さ。
困ったことにうちの国のリーダーもこの手のワードが大好きです。
「しっかりとやる! 確実にやり抜く!」みたいなこと言っているの、ホントによく聞きますよね。
アタマが悪そうからできればやめてほしいんだけど、彼はこれを多用することで、聞き手を半ば脅迫しているニュアンスさえ漂わせます。「やるって言ってんだからつべこべ言うな、コラ」みたいな。報道陣、なぜそこ突っ込まぬ……。
なので、本当に自分のファンになってもらいたいとき、相手から信頼を得たいとき、こういう言葉遣いは意識して避けた方が得策ですよってことです。例えば、
「お客様のニーズにしっかりとお応えし、より良い結果を確実に出します!」
チラシなんかでよく見る文言ですが、冷静に考えると「なに当たり前のこと言ってんの?」だし、そもそもこんなコピー、業種がコンサルでもメーカーでも使えちゃう。それって、つまりは何も言ってないのと同じこと。スルーされるその他大勢でいいんですね?って話です。
「頑張る」を意味のある言葉にするためには、やっぱり「何をどう頑張るのが自分の持ち味なのか」「その結果としてどういう成果がもたらされるのか」まで言いつくさないといけないんですよね。
まぁ私みたいに「ずいぶん狡っ辛い条件ですけど受けてやるからありがたく思えよ、コラ」という意味で「がんばりまーす」と笑わない目でつぶやくって使用法もありますけどね。
その場合の「頑張る」は、do one’s bestではなく、単なるacceptという意味です(笑)。
楽しい文章講座、今回はこのへんで。
ではでは、またね(^-^*)。
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